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アッラーへのいざない
6諸預言者と使徒の布教原理
﴿ الدعوة إلى الله 6- أصول من دعوة الإنبياء والرسل ﴾
] 日本語– Japanese – ياباني [
ムハンマド・イブラーヒーム・アッ=トゥワイジュリー
翻訳 : サイード佐藤
校閲 : ファーティマ佐藤
2009 - 1430
﴿ الدعوة إلى الله 6- أصول من دعوة الإنبياء والرسل ﴾
« باللغة اليابانية »
محمد بن إبراهيم التويجري
ترجمة: سعيد ساتو
مراجعة: فاطمة ساتو
2009 - 1430
6-諸預言者と使徒の布教原理
● 諸預言者の布教における段階:
アッラーは3つのものをもって諸預言者と使徒を遣わされました:
それらはつまり:①アッラーへのいざないと、②アッラーへと至る道の教示、そして③アッラーの御許に還った後の人々の状態の説明です。
①はタウヒードとイーマーン[1]の説明で、②は法規定の説明、そして③は来世とそこにおける報奨と懲罰、天国と地獄に関する説明です。
ゆえにアッラーへのいざないとはまず人々にアッラー自身とその美名と属性、その行為とその偉大さと威力の説明をし、そしてかれこそが世界の唯一の創造主・王・管理者であり、全ての被造物には何の権威も属しないこと、また崇高なるアッラーのみが崇拝に値するということを教示することから始まります。これが布教における第1段階であり、最善かつ最高のものです。
その次に来るのは、天国の様子や地獄の恐怖などの審判の日の出来事の描写による希望と恐怖の喚起や、訓戒による最後の日の説明によるアッラーへのいざないです。
そしてそれから合法的な物事や非合法な物事、義務と権利の説明などによって宗教規定とその法についての知識へといざないます。
実際のところマッカでの布教初期においては主にアッラーと来世へのいざないと、過去の預言者たちとその民の物語の説明に強調が置かれていました。そして一方マディーナ時代においてアッラーは諸々の法規定によって宗教を完成され、アッラーと来世を信じる者たちはそれを受け入れ、また不信仰者と偽信者らはそれを拒んだのです。
● 偉大かつ荘厳なるアッラーはその使徒ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)に対し、一般的な形において彼以前の使徒・預言者たちの正しい導きを、そして特にイブラーヒーム(アブラハム)の宗教を踏襲することを命じられました。イブラーヒームは宗教のために生命や財産や土地、そして妻子に至るまで全てを犠牲にした偉大な使徒です。そしてまたアッラーは私たちにムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)への服従と、あらゆる状況における彼の手法の踏襲‐それが彼のみに特別に限定された事柄においてではない限り‐を命じられたのです。
1-アッラーはクルアーンの中で、数多くの預言者(彼らにアッラーのご満悦あれ)について言及されています。至高のアッラーは仰られました:-彼らこそはアッラーが導き給いし者たち。ゆえに彼らの後に続くのだ。,(クルアーン6:90)
2-至高のアッラーは仰られました:-それからわれら(アッラーのこと)はあなたに啓示を下し、「純正なるイブラーヒーム(アブラハム)の宗教を踏襲せよ。彼はシルク[2]の徒ではなかったのだ」と言った。,(クルアーン16:123)
3-至高のアッラーは仰られました:-アッラー(との謁見)と来世を望み、アッラーをよく念唱する者にとって、アッラーの使徒は実に良い模範である。,(クルアーン33:21)
● アッラーへのいざないにおける預言者たちの人生:
諸預言者の行ったことやその高徳などは、預言者たちの伝承から垣間見ることが出来ます。彼らはアッラーへのいざないのために長い行程を旅し、アッラーの道においてなりふり構わず奮闘しました。またアッラーの御言葉の興隆のためにその生命と財産をかけ、アッラーの宗教の勝利のために額に汗をかき、足を擦り切らせつつ努力したのです。彼らは試練に遭い、嫌がらせを受け、移住し、家を追い出されました。そして戦い、殺され、脅かされ、放逐され、また罵られ、辱めを受け、でっち上げられ、殴られましたが、アッラーの勝利が到来するまで慈悲の念を抱きつつ辛抱したのです。
至高のアッラーはこう仰られました:-あなた以前の使徒たちも嘘つき呼ばわりされたが、彼らはわれら(アッラーのこと)の勝利が訪れるまで嘘つき呼ばわりされ、迫害されることに耐えたのだ。アッラーの御言葉に変更はない。実にあなたのもとには、諸使徒の知らせの一部が確かに届いたのである。,(クルアーン6:34)
● 布教後の人々の状態:
使徒や預言者たちによる布教後、ある者たちは信仰し、またある者たちは信仰しませんでした。
それで偉大かつ荘厳なるアッラーは信仰に入った者たちを試練にかけられ、順境と逆境において試されました。また彼らは周りの人々から敵対され、迫害されました。しかしそれは正直者と虚言者、そして信仰者と偽信者が明白にされるためであったのです。
そして使徒や預言者たちを信じなかった者たちは、この上なく痛ましく長い懲罰に処されました。ゆえに信仰しようとしまいと、全人は痛みを味わうということになります。ただ信仰者は現世においてまず痛みを経験し、その後現世と来世において賞賛される位階に到達するのです。その一方、不信仰者は当初偽りの恩恵に浸っていますが、後には永遠の苦痛へと辿り着く羽目になります。
1-至高のアッラーはこう仰られました:-人々は“私たちは信仰しました"とさえ言えば、試練にもかけられずに放っておかれるとでも思ったのか?実にわれら(アッラーのこと)は彼ら以前の者たちを試練にかけたのだ。そしてアッラーは(“私たちは信仰した"という言葉において)正直な者たちと嘘つきとをご存知になられたのだ。,(クルアーン29:2‐3)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-国々を跋扈する不信仰者らに惑わされてはいけない。(彼らの獲得している)持ち物は僅かだが、その後の行き先は地獄の業火なのだ。それは何とひどい臥所であろうか?,(クルアーン3:196-197)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-ゆえに彼ら(偽信者たち)の財や子孫(の多さ)に惑わされるのではない。実にアッラーは現世ではそれらをもって彼らを罰せられ、彼らが不信仰者として滅びることをお望みなのだから。,(クルアーン9:55)
● 使徒と預言者、そしてその追随者たちの行動:
使徒と預言者たち(彼らにアッラーからの祝福と平安あれ)は地上を往来し、人々にタウヒードとイーマーン、そして善行を勧め、彼らをそれらへいざないました。彼らの最も愛するものはイーマーンと善行であり、主との謁見とかれのお悦び、天国の享楽とその住まいが希求の的でした。彼らは努力奮迅し、メッセージを伝え、忍耐しました。こうしてアッラーは彼らをお悦びになり、彼らもまたアッラーに満足したのです。
これが彼らに対するアッラーの教育の具体像であり、偉大かつ荘厳なるアッラーへと人々をいざなう者たちが踏襲するべき生き方です。
● タウヒードとイーマーン、そしてアッラーのみを崇拝することへのいざない:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-あなた以前にわれら(アッラーのこと)が遣わした使徒の内で、「われ(アッラーのこと)の他に神はない。だからわれを崇拝するのだ。」という啓示を与えなかった者はいなかったのである。,(クルアーン21:25)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-言え、「かれこそは唯一なるアッラー。アッラーこそは全てのものが依拠するところの主。かれは生むことも生まれることもなく、そしてかれに匹敵する何ものもない。」,(クルアーン112:1-4)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-本当にわれら(アッラーのこと)は、各々の民に使徒を遣わして、「アッラーを崇拝し、ターグート[3]を避けなさい。」と命じた。,(クルアーン16:36)
● 人々にアッラーの宗教を伝え、彼らに助言すること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-アッラーのメッセージを伝達し、かれを畏れ、そしてかれ以外のいかなるものも恐れない者たち。アッラーこそ全てを計算するに十全なお方である。,(クルアーン33:39)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-「私は私の主のメッセージをあなた方に伝え、あなた方に忠言している。そしてアッラーによって、あなた方が知らないことを知らされているのだ。」,(クルアーン7:62)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-使徒よ、あなたの主からあなたに下されたものを伝えるのだ。もしそうしなければ、あなたはかれのメッセージを伝えなかったことになる。アッラーがあなたを人々から守って下さるであろう。,(クルアーン5:67)
● 人々をその家や市街地や村や町などあらゆる場所において訪問し、いざなうこと:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-あなたとあなたの兄は、われ(アッラーのこと)のみしるしを携えて行くのだ。そしてわれを想起することを怠ってはならない。ファラオのもとへ赴くのだ。実に彼は(アッラーと人々の権利において)度を越している。そして彼(ファラオ)に穏やかな言葉で話しかけよ。そうすれば彼は忠告を聴き入れ、畏怖の念を抱くかもしれない。,(クルアーン20:42-44)
2-またアッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は人々を訪問し、彼らの家に赴いて彼らをアッラーへといざなったり、様々な部族に自分を紹介したものでした。そしてこう言ったのです:「人々よ、“ラー・イラーハ・イッラッラー(アッラーの他に真に崇拝すべきものはなし)"と言うのだ。そうすればあなた方は成功しよう。」(アフマドの伝承[4])
3-ウサーマ・ブン・ザイド(彼らにアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は、サアド・ブン・ウバーダ(彼にアッラーのご満悦あれ)のもとへと向かいました・・・‐中略‐すると、ムスリムと偶像崇拝者であるシルクの民とユダヤ教徒からなる集団が集まっている場所を通りかかりました。・・・預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は彼らに挨拶すると、立ち止まって(乗っていた動物から)降りました。そして彼らをアッラーへといざない、彼らにクルアーンを読んだのです。(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[5])
● あらゆる状況においてアッラーを讃美・想念し、罪の赦しを乞うこと:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-「私が年老いた後に、私にイスマーイール(イシュマエル)とイスハーク(イサク)をお授けになったアッラーに、讃えあれ。私の主は、本当に祈りを聞き入れられるお方である。」,(クルアーン14:39)
2-アーイシャ(彼女にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はいかなる状況においてもアッラーを念じていたものでした。(ムスリムの伝承[6])
3-アガッル・アル=ムズニー(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「実に私の心は怠慢に襲われる[7]。そして私は一日100回アッラーにお赦しを乞うのだ。」(ムスリムの伝承[8])
● 不信仰者の権力者らに対し、彼らをアッラーへといざなう書簡を送ったこと:
アナス(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は当時のペルシャの王ホスローやローマ帝国皇帝、エチオピアの王アン=ナジャーシーなどの権力者たちに、至高のアッラーへといざなう書簡を送ったものでした。(ムスリムの伝承[9])
● 人々をアッラーと、かれへと通じる道へといざない、また最後の日に待ち受けていることについて警告すること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-言え、「これこそは私と私に追従する者たちが、慧眼をもってアッラーへといざなうところの道である。崇高なるアッラーよ。私はシルクの徒ではないのだ。」,(クルアーン12:108)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-英知とよき訓戒をもって、あなたの主の道へといざなえ。そしてよき手法を用いて彼らと議論するのだ。,(クルアーン16:125)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてまたわれら(アッラーのこと)はあなたに、アラビア語のクルアーンを下した。それはあなたが町々の大本(マッカのこと)[10]と、その周辺の者たちに警告し、また疑念の余地のない集結の日(審判の日)について警告するがためである。(その日)ある集団は天国に入り、またある集団は地獄へと入る。,(クルアーン42:7)
● 人々をその言語でもっていざなうこと:
至高のアッラーはこう仰られました:-そしてわれら(アッラーのこと)は(あらゆる)使徒を、その民の言語をもって遣わした。それは彼が、彼らに(アッラーからのメッセージを)説明するためである。アッラーはお望みになる者を迷わせられ、またお望みになる者を導かれる。かれはこの上なく偉大で、英知あふれるお方。,(クルアーン14:4)
● イバーダ(崇拝行為)とアッラーへのいざないの間のバランス:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-衣にくるまれた者よ。夜は僅かな時間を除いて、(礼拝のために)明かすのだ。夜の半分、あるいはそれよりいくらか少ない位時間を(礼拝に費やせ)。あるいはそれよりいくらか多い時間を。そしてクルアーンをゆっくりと詠唱するのだ。,(クルアーン73:1-4)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-覆われた者よ。立ち上がり、警告するのだ。そしてあなたの主の偉大さを讃えよ。あなたのまとっているもの[11]を清めるのだ。そして偶像を避けよ。,(クルアーン74:1-5)
● 使徒たち(彼らに祝福と平安あれ)と彼らの社会についての想起:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてわれら(アッラーのこと)はあなたに、使徒たちの説話から(あなたが必要とする)全てのことを語り聞かせよう。それはあなたの心を堅固にする。そしてその中にはあなたにとっての真理と、信仰者にとっての訓戒と想念があるのだ。,(クルアーン11:120)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-実に彼ら(預言者ユースフとその兄弟たち)に関しての説話の中には、理性を備えた者たちにとっての訓戒がある。(クルアーンは)作り話などではなくそれ以前の啓典を確証し、また(宗教上必要な)全ての物事を説明するものなのであり、かつ信仰する民への正しい導きと慈悲なのである。,(クルアーン12:111)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-ゆえに彼らに説話を語って聞かせよ。彼らは熟慮するかもしれない。,(クルアーン7:176)
● 恐怖や危険の際に、不信仰者に対して口車を用いること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-信仰者は、他の信仰者を差し置いて不信仰者をその味方としたりはしない。そのようなことをする者には、アッラーから何(のご援助)も頂けないであろう。但し彼ら(の危害)から身を守る[12]場合はその限りではない。アッラーはあなた方に、かれ(のお怒りや懲罰)について警告される。そしてかれにこそ、あなた方の行き先があるのである。,(クルアーン3:28)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-信仰に入った後に、アッラーに対する信仰を否定する者(はかれのお怒りと懲罰を受けることになろう)。但し(そうすることを)強制されただけで、心は信仰で満たされているような者は別である。しかし不信仰を自ら受け入れてしまった者にはアッラーのお怒りと、この上ない懲罰があろう。,(クルアーン16:106)
● 反対者を省みずにアッラーへのいざないを継続すること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-あなたに命じられたことを公けにし、シルクの徒に背を向けよ。われら(アッラーのこと)があなたを、嘲笑する者たちから守るのだ。彼らはアッラーと共に他の崇拝対象を配しているが、(間もなく事の結末を)知ることになろう。,(クルアーン15:94-96)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-ゆえにこの話(クルアーン)を偽りとする者を、われ(アッラーのこと)に任せよ。われら(アッラーのこと)は彼らが知らない所から、徐々に(彼らの破滅の手はずを)進めていくのだ。そしてわれは彼らに猶予を与える。わが計略は実に強固である。,(クルアーン68:44-45)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてアッラーのみしるしがあなたに下された後、彼ら(不信仰者)がそれを阻むようなことがあっては決してならない。あなたの主へといざなえ。そしてシルクの徒となってはいけない。,(クルアーン28:87)
4-至高のアッラーはこう仰られました:-ゆえに不信仰者たちに従ってはならない。それ(クルアーン)をもって大いに奮闘するのだ。,(クルアーン25:52)
● 頑迷な不信仰者や偽信者たちに対する厳しさと熾烈さ:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-ムハンマドはアッラーの使徒である。そして彼と共にある者たちは不信仰者たちに対しては厳しく、彼ら自身の間では慈しみ深い。,(クルアーン48:29)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-預言者(ムハンマド)よ、不信仰者と偽信者らと奮闘し、彼らに厳然としてあれ。彼らの行き先は地獄なのだ。何と悪い行き所であろうか。,(クルアーン9:73)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-信仰者たちよ、あなた方に隣接する不信仰者たちと戦うのだ。そして彼らに、あなた方の厳然さを知らしめよ。そしてアッラーはタクワー[13]の徒と共にあることを知るのだ。,(クルアーン9:123)
● 人がイスラームを受容しなくても悲しんだり失望したりしないこと:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-彼ら(不信仰者)がこの話(クルアーン)を信じなければ、あなたは彼らの(背いて去り行く足)跡を見て、身を滅ぼすほどに悲しむであろう。,(クルアーン18:6)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-われら(アッラーのこと)は、彼ら(不信仰者)の言うことがいかにあなたを悲しませているか、実によく知っている。彼らはあなたを嘘つき呼ばわりしているのではない。しかし罪悪者どもは、アッラーのみしるし(クルアーン)を否定しているのだ。,(クルアーン6:33)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-自らの悪行が煌びやかに映って見え、そしてそれを素晴らしいものと思う者(ほどひどく迷い去った者がいようか)?実にアッラーはお望みになる者を迷わされ、お望みになる者をお導きになられる。ゆえに彼ら(導きを拒む者たち)のために悲しむのではない。実にアッラーは彼らの行いを熟知しておられるのだ。,(クルアーン35:8)
● 福音と警告:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-預言者よ、実にわれら(アッラーのこと)はあなたを証人として、そして福音の伝達者と警告者として遣わした。またかれのお許しのもとにアッラーへといざなう者、そして輝く灯火として。そして信仰者たちに伝えるのだ、彼らにはアッラーの御許からの大きな報奨があると。,(クルアーン33:45-47)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-われら(アッラーのこと)は使徒を、警告者かつ福音をもたらす者として遣わす。ゆえに信仰して(自らとその行いを)正す者には恐れも悲しみもないであろう。,(クルアーン6:48)
3-アブー・ムーサー(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は、教友の誰かを何かの用事で遣わす時にはこう言ったものでした:“吉報を伝えるのだ。そして(人々があなた方を)嫌がって遠ざかったりしないようにせよ。また(物事を)容易くするのだ。そして困難にしたりしないようにせよ。"」(ムスリムの伝承[14])
● 勧善懲悪:
至高のアッラーはこう仰られました:-トーラーと福音書の中に記されているのを彼ら(啓典の民)が見出すところの、文盲の使徒、預言者に従う者たち。彼こそは善を勧め悪を禁じ、彼らによきものを合法なものとし、悪しき物を彼らに禁じる。そして(彼は)彼らが背負っていた重荷と、彼らにはめられていた枷を取り除くのだ。ゆえに彼を信仰し、また敬いかつ援助して、彼と共に下された光に追い従う者たちこそは、真の成功者なのである。,(クルアーン7:157)
● 信仰者の心をその主と結びつけ、その行いによって天国を約束すること:
1-イブン・アッバース(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「ある日私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)の後ろにいました。彼は私にこう言いました:“少年よ。お前にある言葉を教えてやろう。それを心に書き留めて堅守するのだ。そうすればアッラーがお前を護って下さるだろう。アッラー(があなたに命じ禁じられること)を守るのだ。そうすればかれを眼前に見出すであろう。何かを乞う時はアッラーに乞うのだ。そして援助を求める時はアッラーに援助を求めるのだ。そして知るのだ。全ての者があなたを益しようと一丸になっても、アッラーがあなたに対して既にお定めになられたこと以外は何1つあなたを益することがない。また全ての者があなたを害しようと一丸になっても、アッラーがあなたに対して既にお定めになられたこと以外は何1つあなたを害することがない。(定命の)筆は既に置かれ、(それが書き留められる)ページ(のインク)はもう乾いてしまったのである。"」(アフマドとアッ=ティルミズィーの伝承[15])
2-サハル・ブン・サアド(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言いました:「両髭の間にあるものと、両足の間にあるもの[16]を私に保証する者には、私が天国を保証しよう。」(アル=ブハーリーの伝承[17])
● 布教において現世的報酬を求めないこと:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-言え、「私は(布教において、)あなた方にいかなる報酬も求めたことがない。(あなた方が信仰して得る物があっても、)それはあなた方のものなのである。私の報奨はただアッラーのみによる。そしてかれこそは、全てに対しての証人であられるのだ。」,(クルアーン34:47)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-私は(布教において、)あなた方にいかなる報酬も求めはしない。私の報奨はただ万有の主のみによるのだ。,(クルアーン26:109)
● 人々への慈悲:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-ムハンマドはアッラーの使徒である。そして彼と共にある者たちは不信仰者たちに対しては厳しく、彼ら自身の間では慈しみ深い。,(クルアーン48:29)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてわれら(アッラーのこと)があなたを遣わしたのは、全世界への慈悲ゆえに他ならない。,(クルアーン21:107)
3-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、ある者がこう言いました:「“アッラーの使徒よ、シルクの徒に災難が降りかかるよう祈願して下さい。"すると彼はこう答えました:“私は呪う者として遣わされたのではない。慈悲として遣わされたのだ。"」(ムスリムの伝承[18])
● 同情心と哀れみの心:
至高のアッラーはこう仰られました:-あなた方のもとに、あなた方自身の内から1人の使徒(ムハンマド)が到来したのである。(彼は)あなた方の(現世と来世における)苦しみを身に沁みて辛く思い、あなた方(が懲罰を受けず信仰に入ること)に懸命で、信仰者たちに哀れみ深く、慈悲深いのである。,(クルアーン9:128)
● 柔和さと許しの心:
1-至高のアッラーは預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)に、こう仰られました:-そしてあなたが彼らに対して優しくしたのは、実にアッラーからのご慈悲ゆえであった。もしあなたがぞんざいで頑なであったなら、彼らはあなたのもとから離散してしまったことであろう。ゆえに彼らを赦し、彼らのために罪の赦しを乞え。そして諸事において彼らに相談し、一旦決心したら、アッラーにタワックル(全て委ねること)するのだ。実にアッラーはタワックルする者を愛でられる。,(クルアーン3:159)
2-至高のアッラーは、ムーサーとハールーン(彼らにアッラーからの祝福と平安あれ)にこう仰られました:-ファラオのもとへ赴くのだ。実に彼は(アッラーと人々の権利において)度を越している。そして彼(ファラオ)に穏やかな言葉で話しかけよ。そうすれば彼は忠告を聴き入れ、畏怖の念を抱くかもしれない。,(クルアーン20:43-44)
3-また至高のアッラーは、預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)にこうも仰られました:-許しの心を持ち、善を命じ、無知な者たちから遠ざかれ。,(クルアーン7:199)
4-また至高のアッラーは、預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)にこうも仰られています:-ゆえに彼らを赦し、(彼らの悪から)潔白であれ。彼らはいずれ知ることになるのだから。,(クルアーン43:89)
● 正直さ:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-そして正しさを携えて到来した者と、それを正しいと認めた者。彼らこそはタクワー[19]の徒である。 ,(クルアーン39:33)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-(ムハンマドよ、)啓典の中(のこの章)から、イブラーヒーム(アブラハム)について話して聞かせよ。実に彼は正直な預言者であった。,(クルアーン19:41)
● 忍耐心:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-あなた以前の使徒たちも嘘つき呼ばわりされたが、彼らはわれら(アッラーのこと)の勝利が訪れるまで嘘つき呼ばわりされ、迫害されることに耐えたのだ。アッラーの御言葉に変更はない。実にあなたのもとには、諸使徒の知らせの一部が確かに届いたのである。,(クルアーン6:34)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-ゆえに忍耐せよ。実にアッラーのお約束は真実なのだから。そして(それを)確信しない輩に、あなたの気持ちを揺るがせてはならない。,(クルアーン30:60)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-ゆえに動揺せずに忍耐せよ。,(クルアーン7:5)
● 真摯さ:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-実にわれら(アッラーのこと)は、真実をもってあなたにクルアーンを下した。それゆえアッラーのみを真摯に、何ものも並べることなく崇拝するのだ。 ,(クルアーン39:2)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-かれは永生されるお方。かれ以外に崇拝すべきものは何もない。ゆえにかれに何ものも並べて配することなく、かれのみを真摯に崇拝するのだ。万有の主アッラーにこそ讃えあれ。,(クルアーン40:65)
● 気前の良さと奉仕と謙譲さ:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-あなたに、イブラーヒーム(アブラハム)の貴い客人たちの話は伝わったであろう。彼らは彼のもとを訪れると挨拶し、彼(イブラーヒーム)も言った:「あなた方にも平安あれ。見慣れぬ方々よ。」そして彼は家族のもとへ赴くと、太った子牛(の肉)を携えて来た。そしてそれを彼らに差し出したが、(彼らがそれに手を付けようとしないのを見て)言った:「食べないのですか?」,(クルアーン51:24-27)
2-また至高のアッラーはムーサー(モーゼ)と2人の女性の話について、こう仰られました:-(ムーサーは彼女らに)言った:「おふた方、どうなされました?」2人は言った:「羊飼いたちが(彼らの家畜を水飲み場から)立ち去らせるまで、私たちは(自分たちの家畜に)水をやることが出来ません。私たちの父はとても年老いています。」それでムーサーは彼女たちのために水を汲んでやり、それから(木)陰に赴いた。彼は言った:「主よ、私はあなたが私に下されたよきものに飢えています。」,(クルアーン28:23-24)
3-ウマル(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「キリスト教徒がマルヤムの息子(イーサー)に対してしたように、私を過度に称えるのではない。私は単なるかれ(アッラー)のしもべなのである。ゆえにこう言うのだ:“アッラーのしもべ、かれの使徒"と。」(アル=ブハーリーの伝承[20])
● 現世の虚飾を回避すること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-そして、われら(アッラーのこと)が彼ら(ユダヤ教徒やシルクの徒ら)の内のある者たちに与えた享楽を羨望してはいけない。それらは、われらが彼らを試練にかけるための現世の華やかさなのだ。しかしあなたの主のご褒美こそは最善かつ永劫なのである。,(クルアーン20:131)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-主の御顔を希って、昼夜にかれに祈る者たちと共に耐え忍ぶのだ。そして現世の華やかさを望んで、彼ら(慎ましくも真摯な信仰者たち)から目を逸らしてはならない。,(クルアーン18:28)
● アッラーへの服従を望ませ、かれへの反逆を恐れさせること:
至高のアッラーは仰られました:-そしてアッラーとその使徒に従う者は、(アッラーが)彼をその下を河川の流れる楽園に入れよう。彼らはそこに永遠に留まるのだ。これこそはこの上ない勝利である。一方アッラーとその使徒に逆らい、かれ(アッラー)が定められた(法の)境界線を越える者は、(アッラーが)彼を地獄に入れよう。彼はそこに永遠に留まり、そこでは屈辱的な懲罰が繰り広げられるのだ。,(クルアーン4:13-14)
● 善行を急ぐこと:
至高のアッラーは、預言者ザカリーヤーとその家族についてこう仰られました:-彼らは実に善行においては俊敏で、われら(アッラーのこと)を希求し、また畏れつつ、祈っていた。そしてわれらに対して慎ましかったのだ。,(クルアーン21:90)
● アッラーの御言葉を興隆させるべく、生命と財産をかけて努力奮闘すること:
至高のアッラーはこう仰られました:-しかし預言者(ムハンマド)と彼と共に信仰に入った者たちは、その財と生命をかけて努力奮闘する。彼らにこそはよきものがあり、また彼らこそは成功者なのである。,(クルアーン9:88)
● アッラーの道における奮闘:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-そして一体どれだけ多くの預言者が、多くの学ある信徒たちと共に戦い、アッラーの道において蒙った災難にひるまなかったか。そしてくじけもせず、屈服もしなかったか。実にアッラーは忍耐強い者を愛でられる。,(クルアーン3:146)
2-至高のアッラーは仰られました:-預言者(ムハンマド)よ、不信仰者と偽信者らと奮闘し、彼らに厳然としてあれ。彼らの行き先は地獄なのだ。何と悪い行き所であろうか。,(クルアーン9:73)
● 知識の追求とその教授:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-そして言え、「主よ、私の知識をお増やし下さい。」,(クルアーン20:114)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-ムーサー(モーゼ)は彼に言った:「あなたに授けられた正しい知識を教えてもらうため、あなたについて行ってもよろしいですか?」。,(クルアーン18:66)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-かれこそは文盲の民に、彼らの内から1人の使徒を遣わされたお方。彼は彼らにそのみしるし(クルアーン)を朗誦し、彼らを清め、啓典と英知を教授する。そしてそれ以前、彼らは実に明白なる迷妄の中にいたのである。,(クルアーン62:2)
● イバーダ(崇拝行為)とズィクル(唱念)の継続によって心を清め、魂と肉体を強化すること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-実にわれら(アッラーのこと)は、あなたが彼らの言うことを心苦しく思っていることを知っている。ゆえにあなたの主を讃美しつつ、その崇高さを讃えるのだ。そしてよくサジダ(伏礼:礼拝の1動作)する者であれ。確信が到来するまで、あなたの主を崇拝するのだ。,(クルアーン15:97-99)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-信仰者たちよ、アッラーを頻繁に念じよ。そして朝に夕にかれの崇高さを讃えるのだ。,(クルアーン33:41-42)
3-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)の娘ファーティマ(彼女にアッラーのご満悦あれ)が父親のもとを訪れ、使用人をつけてくれるよう頼み、(家での)仕事について不平を述べました。それに関して彼はこう言いました:「私たちの所にはそのような者がいない。使用人などよりもっとよいものを教えてやろうか?就寝する時にタスビーフ[21]を33回、タハミード[22]を33回、タクビール[23]を34回唱えるのだ。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[24])
● シルクの徒が導かれるよう祈願すること:
1-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッ=トゥファイルとその仲間たちがやって来て、こう言いました:「“アッラーの使徒よ、ダウスの民は信仰せず、拒否しました。彼らに災難が降りかかるよう、アッラーにお祈り下さい。"すると誰かが言いました:“ダウスの民が滅んでしまうように。"預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は(それを聞いて、)言いました:“アッラーよ、ダウスの民をお導き下さい。そして彼らを(信仰と共に)お連れ下さい。"」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[25])
2-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「わたしはシルクの徒であった母親をイスラームへと誘っていたものでした。しかしある日私が彼女をイスラームへ勧誘した時、彼女はアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)について私が厭うようなことを口にしました。…中略…私は言いました:“アッラーの使徒よ、アブー・フライラの母親が導かれるよう、お祈り下さい。"すると彼は言いました:“アッラーよ、アブー・フライラの母親をお導き下さい[26]。"」(ムスリムの伝承[27])
3-アブドッラー・ブン・マスウード(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私は(今でも)その民から殴られ、顔の血を拭いながら“アッラーよ、私の民をお赦し下さい。彼らは知らないのです。"と言う、とある預言者の話を語り聞かせる預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)の姿を眼前にしているかのようです。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[28])
● あらゆる時と状況においてイスラームを伝道すること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-彼(ヌーフ)は言った:「主よ、実に私は私の民を、昼に夜に(正しい教えへと)いざない続けました。」,(クルアーン71:5)
2-ウバーダ・ブン・アッ=サーミト(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は私たちを呼び、そして私たちは彼に忠誠の誓いをしました。(その内容とは:)気乗りすることにおいても気が進まないことにおいても、また逆境においても順境においても、またそれが私たちの利己心に反するようなものであったとしても、彼の命を良く聴き入れ、服従すること。そしてその資格を有する者から、統治権を奪ったりしないこと。但しあなた方が(その者に)明白な不信仰を見出し、かつそこにおいてアッラーからの明証が存在する場合はその限りではない。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[29])
● 協議:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-そして諸事において彼らに相談し…,(クルアーン3:159)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-…彼らの間の諸事を協議でもって取り決め…,(クルアーン42:38)
● アッラーへの確信と、タワックル(かれに全てを委ねること):
1-至高のアッラーはこう仰られました:-例えあなた方が彼(預言者ムハンマド)を援助しなくとも、実にアッラーは不信仰者たちが彼を追い出した時に、2人の内の1人であった彼を援助されたのである。彼らが洞窟の中にあり、そして彼(預言者ムハンマド)がその同伴者(アブー・バクル)に「悲しむのではない。アッラーが私たちと共にある」と言った時(のことを思い出せ)。,(クルアーン9:40)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-そして2つの集団が互いの姿を見(える位にまでの距離になっ)た時、ムーサー(モーゼ)の民は言った:「私たちは本当に追いつかれてしまった!」(ムーサーは)言った:「いや(、まだ追いつかれてはいない)。私には、私の主が共にある。かれは私を導いて下さるだろう。」それでわれら(アッラーのこと)は彼に、“海を杖で叩くのだ"と啓示した。(そしてムーサーがそうすると、)海は(12の道)に割れ、その各々は巨大な山のようであった。,(クルアーン26:61-63)
● 祈願と、あらゆる状況においてサラー(礼拝)をもって避難とすること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-彼ら以前にも、ヌーフ(ノア)の民が(彼らに遣わされた預言者を)嘘つき呼ばわりした。彼らは言った:「(奴は)狂っている。」そして彼は追いやられた。それで彼はその主に祈って言った:「実に私は抑圧されています。(私を)ご援助下さい。」それでわれら(アッラーのこと)は天の諸門を開き、激しい大雨を降らせた。そして(更に)大地から多くの泉を噴出させ、(天と地の)水は既に定められていたことのために合流した。それからわれらは、彼を板と釘からなる物(方舟のこと)でもって(地表を覆った洪水の上を)運んだ。,(クルアーン54:9-13)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-あなた方が、あなた方の主のご援助を請うた時(のことを思い出すのだ)。かれ(アッラーのこと)はあなた方に応じてこう仰られた:“われ(アッラーのこと)はあなた方に、隊列を組んでやって来る1000の天使を(援助として)遣わそう。" ,(クルアーン8:9)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-そして忍耐とサラー(礼拝)でもって、援助を乞うのだ。しかしそれは(アッラーを)畏れる者以外の者たちには困難なことなのである。,(クルアーン2:45)
4-フザイファ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は災難に遭遇した際にはサラーをしたものでした。(アブー・ダーウードとアフマドの伝承[30])
● いかなる場合でも、嘆願や頼みごとはアッラーに向けること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-彼(ヤアクーブ)は言った:「私は実に、私の苦悩と悲哀をアッラーに訴えているのだ。私はあなた方の知らないことを、アッラーから知らされている。」 ,(クルアーン12:86)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-またアイユーブ(ヨブ)がその主をこう呼んだ時(のことを思い出すのだ):「私は害悪に苦しんでいます。そしてあなたこそは慈悲深い者全ての中でも、最も慈悲深いお方であられます。」そしてわれら(アッラーのこと)は彼に応え、彼から害悪を取り除いてやった。それからわれらは(来世において)彼に彼の家族を与え、そしてそれと似たような者たちを(現世においても)授けてやったのだ。これらはわれらの慈悲の賜物であり、イバーダ(崇拝行為)に努める者たちに対しての教訓なのだ。,(クルアーン21:83-84)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてザカリーヤーがその主を呼んだ時(のことを思い出せ):「主よ、私を(跡継ぎとなる子孫もないまま)1人ぼっちにしないで下さい。(しかしもし私がそのままであったとしても)あなたこそは最もよき相続者であられます。それでわれら(アッラーのこと)は彼に応え、彼にヤヒヤー(ヨハネ)を授けた…,(クルアーン21:89-90)
● 良い環境を固守し、悪い環境を避けること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-信仰者たちよ、アッラーを畏れよ。そして正直な信仰者らと共にあるのだ。,(クルアーン9:119)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-主の御顔を希って、昼夜にかれに祈る者たちと共に耐え忍ぶのだ。そして現世の華やかさを望んで、彼ら(慎ましくも真摯な信仰者たち)から目を逸らしてはならない。またわれら(アッラーのこと)が、われらを想起することにおいてその心をおろそかにさせたような者に従ってはいけないのだ。そのような者は自らの私欲に追随しているのであり、その成すことは度を越している。,(クルアーン18:28)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-すると町外れから1人の男が急いでやって来て、言った:「ムーサー(モーゼ)よ、有力者たちがあなたの件で相談し合い、あなたを殺そうとしている。だから(町から)出て行くのだ。私は本当にあなたに忠告している。」それで彼は恐る恐る、細心の注意を配りながら出て行った。そして言った:「主よ、罪深い民から私をお救い下さい。」,(クルアーン28:20-21)
4-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてシャイターン(悪魔)があなたを忘れさせたのだとしても、それを思い出した後に及んで罪深い民と同席してはならない。,(クルアーン6:68)
● アッラーに依拠し、私欲を抑え、目的達成のために必要かつイスラーム法上合法である諸要素を満たすこと:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-言え(ムハンマドよ)、「私はアッラーがそうお望みになられたものを除いては、何かを益する力も害する力も有してはいない。もし私が不可知の領域を関知していたら、よいことばかりを集め、災難は回避することが出来ただろう。私は信仰する民への1人の警告者、福音者に過ぎないのである。」,(クルアーン7:188)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-ゆえにあなた方が彼らを殺したのではなく、アッラーこそが彼らを殺されたのである。またあなたが(弓を)射った時、あなたが射ったのではなく、アッラーこそが射られたのである。(これもアッラーが、)それによって信仰者をよき試練に遭わせるがためなのだ。実にアッラーこそは全てをお聞きになり、ご存知になられるお方である。,(クルアーン8:17)
3-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言ったものでした:「アッラーのみ以外に崇拝すべきものはなし。かれこそがその軍隊を強力にされ、そのしもべを援助され、(不信仰者からなる)部族連合を敗走させられたお方。そしてその後には何ものも存在しないお方。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[31])
● 例え外面上は論理的ではないように見えたとしても、アッラーのご命令に従うこと:
例えばヌーフ(ノア)が水もない所で方舟を造ったことや、イブラーヒーム(アブラハム)が妻子を作物もない荒涼とした土地に取り残したこと、ムーサー(モーゼ)が大蛇を掴んだり、海を杖で叩いたりしたことなどが挙げられます。それらは全て偉大かつ荘厳なるアッラーのご命令に従って行ったことでした。
1-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてヌーフ(ノア)は方舟を造り始めた。彼の民の有力者らは彼の傍を通りかかるたび、彼を嘲笑した。彼は言った:「あなた方が私たちを嘲笑しようと、私たちはいずれあなた方が私たちを嘲笑するように、あなた方を嘲笑しよう。」,(クルアーン11:38)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-私たちの主よ、私は私の子孫のある者たちを、あなたの聖なる館(カアバ神殿)の不毛の谷間に住まわせました。私たちの主よ、彼らにサラー(礼拝)を遵守させて下さい。そして人々の心が彼らへと傾くようにさせ、彼らに糧をお授け下さい。彼らはきっと感謝することでしょう。,(クルアーン14:37)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-(アッラーは仰った:)「ムーサーよ、あなたの右手にあるそのものは何か?」彼は言った:「これは私がもたれかかったり、私の羊のために(木の葉を)振い落したりする杖で、それには他にも使い道があります。」(アッラーは仰った:)「ムーサーよ、それを投げよ。」それで彼はそれを投げたが、するとそれは這い回る一匹の大蛇になった。(アッラーは仰った:)「恐れずに、それを捕まえよ。われら(アッラーのこと)がそれを元々の形に戻してやるのだから。」,(クルアーン20:17-21)
4-至高のアッラーはこう仰られました:-それでわれら(アッラーのこと)は彼に、“海を杖で叩くのだ"と啓示した。(そしてムーサーがそうすると、)海は(12の道)に割れ、その各々は巨大な山のようであった。,(クルアーン26:63)
● アッラーの道へといざなうことにおいて被る、嫌がらせや追い出しなどを耐え忍ぶこと:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-いや、あなた方はあなた方以前に滅びた者たちが遭遇したようなものに出遭うことなく、天国に入れるものと思い込んでいる。彼らはひどい困窮や災難に見舞われ、様々な試練に揺るがされ、使徒と彼と共に信仰した者たちが「一体アッラーのご援助はいつなのであろうか!?」と言ったほどだったのだ。しかし実にアッラーのご援助はごく間近なのである。,(クルアーン2:214)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-一体何が私たちを、アッラーにタワックル(全てを委ねること)することから阻もうか?かれは私たちを(明白かつ正しい)道へとお導き下さったというのに。いや、(誓って)私たちはあなた方の嫌がらせに辛抱しよう。タワックルする者たちには、アッラーのみにこそタワックルをさせるのだ。,(クルアーン14:12)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-そして不信仰者たちがあなたを拘束したり、あるいは殺害したり、あるいは追放したりすべく姦計をはたらくことを思い出せ。しかし彼らが姦計をはたらこうとも、アッラーも計略を巡らされる。そしてアッラーこそはこの上ない計略家であられるのだ。,(クルアーン8:30)
4-アーイシャ(彼女にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「“アッラーの使徒よ、あなたにとってウフドの戦役よりも過酷な時はありましたか?"アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“私はあなたの民(クライシュ族)より(過酷な迫害を)被った。そしてその中でも最も過酷なものがアカバの日のそれだった。私はイブン・アブド・ヤーリール・ブン・アブド・クラールにイスラームを提示したが、彼は私の望みに応じなかった。それで私は落胆して去り、カルン・アッ=サアーリブ[32]に到着するまで放心状態にあった…」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[33])
5-アナス(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「私はアッラーにおいて、誰も出遭ったことのないような恐怖を被った。そしてアッラーにおいて、誰も受けたことのないような被害を被った。またビラールの脇に抱えられるほど少量のものを除いては、私と彼に生物が食するに値するような食べ物のない30昼夜に襲われたりもした。」(アッ=ティルミズィーとイブン・マージャの伝承[34])
● 嘘の告発や陵辱、嘲笑などに辛抱すること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-同様に、彼ら以前に到来した使徒たちで「魔術師」とか「狂人」とか言われなかった者はいなかったのである。,(クルアーン51:52)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-実にあなた以前の使徒たちも嘲笑されたのだが、彼らが嘲笑していたところのもの(不信仰に対する懲罰のこと)が彼ら(使徒たち)を侮蔑していた者たちに降りかかったのである。,(クルアーン6:10)
3-至高のアッラーはこう仰られました:-いや、彼らは言った:「(そんなことは)突飛な幻想である。彼(預言者ムハンマド)がそれをでっちあげたのだ。いや、彼は詩人である。(彼の言うことが本当なら)、以前遣わされた者たちがそうしたように、(アッラーからの)みしるしを携えて来させよ。」,(クルアーン21:5)
4-至高のアッラーはこう仰られました:-実にわれら(アッラーのこと)は、あなたが彼らの言うことを心苦しく思っていることを知っている。ゆえにあなたの主を讃美しつつ、その崇高さを讃えるのだ。そしてよくサジダ(伏礼:礼拝の1動作)する者であれ。確信が到来するまで、あなたの主を崇拝するのだ。,(クルアーン15:97-99)
● 頑迷な不信仰者に対し、毅然とした誇り高い態度をとること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-言え、「私の主は私を、真っ直ぐな道へとお導き下さった。(それは)正しい宗教、イブラーヒームの純正な教え。そして彼はシルクの徒ではなかったのだ。」,(クルアーン6:161)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-実にイブラーヒームと彼と共にあった者たちの中には、あなた方にとっての良き模範があった。彼らがその民にこう言った時(のことを思い出せ):「私たちはあなた方と、あなた方がアッラーを差し置いて崇めているものから無縁である。私たちはあなた方が、不信心を犯していると見なしている。そしてあなた方がアッラーのみを信仰するようになるまで、私たちとあなた方の間には永遠に敵意と憎悪の念が生じたのだ。」但しイブラーヒームの父親に対する(次の)言葉だけはその限りではなかった:「私はあなたのために(アッラーに)お赦しを乞いましょう。私はあなたに対し、アッラーを差し置いて何が出来ると言う訳でもありませんが。」(イブラーヒームは言った:)「私たちの主よ、私たちはあなたにタワックル(アッラーに身を委ねること)しました。そしてあなたに悔悟しました。そしてあなたの御許にこそ、全ての還り所があります。」,(クルアーン60:4)
3-また至高のアッラーはファラオの魔術師たちが信仰した時、こう仰られました:-(魔術師たちは)言った:「私たちは、私たちのもとに到来した明証と私たちを創造されたお方を差し置いて、あなたになびいたりはしまい。あなたは、あなたが下すところの判決を下すがよい。実にあなたは、この現世においてのみ判決を下すに過ぎないのだが。私たちは私たちの主を信仰しました。それは私たちの過ちと、あなたが私たちに無理強いした魔術に関して、かれが私たちをお赦しになるためです。アッラーこそは最善であり、永遠に留まられるお方であられます。」),(クルアーン20:72-73)
● 例え多勢に無勢であっても、敵の前で堅固かつ勇ましくあり、そしてアッラーにタワックルすること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-彼らにヌーフ(ノア)の話を読誦して聞かせよ。彼がその民にこう言った時(のことを思い出せ:)「私の民よ、例え私が(あなた方のもとに長く)留まり、(あなた方に対して)アッラーのみしるしでもって訓戒することが、あなた方にとって甚だ煩わしいことであったとしても、実に私はアッラーにタワックル(全てを委ねること)したのです。それゆえあなた方はあなた方の事を決定し、あなた方(がアッラーを差し置いて拝するところの、アッラー)の共同者らに祈りなさい。そしてその後はあなた方の決めたことを隠すことなく、私に向かって猶予することなく実行するが良いでしょう。」,(クルアーン10:71)
2-また至高のアッラーは、預言者フード(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)についてこう仰られました:-…彼(フード)は言った:「私はアッラーを証人としよう。そしてあなた方も証言するのだ。私が、あなた方がアッラーを差し置いて崇めているものとは無関係であるということを。ゆえにあなた方は一丸となって私に対し姦計を練り、猶予などおくのではない。私は実に私の主であり、あなた方の主であるアッラーにタワックルしたのだ。生きとし生けるもので、アッラーにその前髪をつかまえられていないものはない[35]。実にアッラーは真っ直ぐな道を示されるお方。」,(クルアーン11:54-56)
● 苦悩の解消や必要ごとにおいて、アッラーのお力を乞うこと:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-そして大魚の男(ユーヌス:ヨナ)が怒って出かけた時の事を思い出すのだ。彼はわれら(アッラーのこと)が彼を苦境におくなどとは思っていなかったが、暗闇の中でこう叫んだのだ:「あなたの他に真に崇拝すべきいかなるものもありません!あなたは(あらゆる欠陥や不完全性から遥かに無縁な)崇高なお方です!私は本当に(真理において自らに)不正を働いていた者でした。」それでわれらは彼(のドゥアー)に応え、彼をその悲しみから救った。このようにわれらは信仰者を救うのである。,(クルアーン21:87-88)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてムーサー(モーゼ)がその民のために、水を求めて祈った時のこと(を思い出せ)。われら(アッラーのこと)は言った:「あなたの杖で岩を打つのだ。」(そして彼がそうすると、)そこから12の泉が湧き溢れ出た。各支族(に1つの泉が与えられ、また彼ら)は各々の飲み場を知った。(ムーサーは言った:)「アッラーから授かった糧から、食べかつ飲みなさい。そして地上で反逆を働いてはならない。」,(クルアーン2:60)
● 地位の高い者に対する配慮:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてわれら(アッラーのこと)は、ムーサーをわれらのみしるしと明証をもって遣わした。フィルアウン(ファラオ)とハーマーンとカールーン[36]のもとに。しかし彼らは(ムーサーを)、「大嘘つきの魔術師」と言った。,(クルアーン40:23-24)
2-至高のアッラーはこう仰られました:-あなた(ムーサーのこと)とあなたの兄は、われ(アッラーのこと)のみしるしを携えて行くのだ。そしてわれを想起することを怠ってはならない。フィルアウンのもとへ赴くのだ。実に彼は(アッラーと人々の権利において)度を越している。そして彼(フィルアウン)に穏やかな言葉で話しかけよ。そうすれば彼は忠告を聴き入れ、畏怖の念を抱くかもしれない。,(クルアーン20:42-44)
3-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「もし10人のユダヤ教徒(の長)がイスラームを受容したならば、(全ての)ユダヤ教徒がそうしたであろう。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[37])
● 外面的にも内面的にも宗教を正しく実践すること:
1-至高のアッラーはこう仰られました:-それであなたと、あなたと共に悔悟した者は、(正しい宗教の手法を)命じられたように遵守するのだ。そして(あなた方の主に)反してはならない。実にかれは、あなた方の成すことを全てご覧になられる。,(クルアーン11:112)
2-また至高のアッラーは預言者シュアイブに関して、こう仰られました:-(シュアイブは言った:)「そして私は、あなた方に禁じることにおいて自ら違反するつもりはない。私は私の出来る限り、(事を)正したいだけなのである。そして私の成功はアッラーのみにかかっている。私はかれにこそタワックル(全てを委ねること)し、かれにこそ(悔悟の念をもって不断に)立ち返るのだ。」,(クルアーン11:88)
[1] 訳者注:詳しくは「タウヒードとイーマーン」の章を参照のこと。
[2] 訳者注:詳しくは「タウヒードとイーマーン」の章の「シルクとその種類」の項を参照のこと。
[3] 訳者注:「ターグート」はアッラー以外に崇拝されるあらゆるものを指します。
[4] 真正な伝承。ムスナド・アフマド(16603)。シュアイブとアル=アルナウートは、この伝承経路は真性であると述べています。
[5] サヒーフ・アル=ブハーリー(5663)、サヒーフ・ムスリム(1798)。文章はムスリムのもの。
[6] サヒーフ・ムスリム(373)。
[7] 訳者注:預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は自らに非常に多くのズィクル(アッラーの想念)やイバーダ(崇拝行為)を課し、またそこにおいて常日頃から自らを厳しく自己監視していました。そこでそれらを不注意などから少しでも怠ってしまった場合には、それを自らの基準において罪と見なしたのです。
[8] サヒーフ・ムスリム(2702)。
[9] サヒーフ・ムスリム(1774)。
[10] 訳者注:原語での表現は「ウンム・アル=クラー(町々の母)」。この呼称は、世界がマッカの下方から広げられたことに由来すると言われます(アッ=ラーギブ・アル=アスファハーニー著「アル=ムフラダート」より)。
[11] 訳者注:精神的なもの‐つまり罪悪と、物質的なもの‐つまり衣服などの汚れを意味しています。
[12] 訳者注:これを「タキーヤ」と呼びます。しかしそのような場合でも、あくまで外面的に振舞うのであり、自分の内面や意図まで変えてしまってはなりません。タキーヤは行動ではなく、言葉でもって取り繕うことである、とイブン・アッバースは伝えています(イブン・カスィールのクルアーン注訳から)。
[13] 訳者注:「タクワー」は「自らを守る」という動詞の名詞形。つまりアッラーを畏れ、またそのお怒りと懲罰につながるような行い‐つまりかれが命じられたことに反したり、あるいは禁じられた事柄を犯したりすることなど‐を避けることで、自らの身をアッラーのお怒りや懲罰から守ることを意味します。
[14] サヒーフ・ムスリム(1732)。
[15] 真正な伝承。ムスナド・アフマド(2669)、スナン・アッ=ティルミズィー(2516)。
[16] 訳者注:「両髭の間にあるもの」とは口、つまり言葉のことで、「両足の間にあるもの」とは生殖器のことです。
[17] サヒーフ・アル=ブハーリー(6474)。
[18] サヒーフ・ムスリム(2599)。
[19] 訳者注:「タクワー」は「自らを守る」という動詞の名詞形。つまりアッラーを畏れ、またそのお怒りと懲罰につながるような行い‐つまりかれが命じられたことに反したり、あるいは禁じられた事柄を犯したりすることなど‐を避けることで、自らの身をアッラーのお怒りや懲罰から守ることを意味します。
[20] サヒーフ・アル=ブハーリー(3445)。
[21] 訳者注:アッラーの完全無欠性、全ての物事から超越する崇高さを讃えること。「スブハーナッラー」という言葉による唱念に代表されます。
[22] 訳者注:アッラーにこそ全ての賛美があると唱念すること。「アル=ハムドリッラー」という言葉に代表されます。
[23] 訳者注:アッラーこそが最も偉大であり、それ以外のものは全て些少な存在であることを唱念するための言葉。「アッラーフ・アクバル」という言葉に代表されます。
[24] サヒーフ・アル=ブハーリー(3113)、サヒーフ・ムスリム(2828)。文章はムスリムのもの。
[25] サヒーフ・アル=ブハーリー(2937)、サヒーフ・ムスリム(2524)。文章はムスリムのもの。
[26] 訳者注:そして原典におけるこの伝承の後半部分では、その祈願通りに彼の母親が突然イスラームを受容したことが伝えられています。
[27] サヒーフ・ムスリム(2491)。
[28] サヒーフ・アル=ブハーリー(2477)、サヒーフ・ムスリム(1792)。文章はアル=ブハーリーのもの。
[29] サヒーフ・アル=ブハーリー(70556)(7056)、サヒーフ・ムスリム(1709)。文章はアル=ブハーリーのもの。
[30] 良好な伝承。スナン・アブー・ダーウード(23688)、ムスナド・アフマド(1319)。
[31] サヒーフ・アル=ブハーリー(4114)、サヒーフ・ムスリム(2724)。
[32] 訳者注:「カルン・アッ=サアーリブ」とは、一説にはマッカから1昼夜の距離にあり、現在「カルン・アル=マナーズィル」と呼ばれている場所のことであるとも言われています。
[33] サヒーフ・アル=ブハーリー(3231)、サヒーフ・ムスリム(1795)。文章はアル=ブハーリーのもの。
[34] 真正な伝承。スナン・アッ=ティルミズィー(2472)、スナン・イブン・マージャ(151)。文章はアッ=ティルミズィーのもの。
[35] 訳者注:つまりかれの支配下にないものはない、ということ。
[36] 訳者注:「ハーマーン」はファルアウンの王国の宰相。「カールーン」はその当時、最も裕福だった商人のことです。
[37] サヒーフ・アル=ブハーリー(3941)、サヒーフ・ムスリム(2793)。文章はアル=ブハーリーのもの。